- イボ痔を持っていますが、手術をした方がよいのでしょうか?
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直腸癌、肛門癌でない限り、絶対に手術をしなければならないというケースはほとんどありません。
しかし、痛みや出血、肛門不快感等の症状が強い場合や、症状の再発を繰り返すような患者さんは手術をした方が良いと思います。
また、脱肛(排便時や長時間立ち仕事をした後など、イボ痔が肛門から脱出してくる症状)は、痛みを伴わないケースも多く、長年持ち続けている人も多数拝見致しますが、手で還納(イボ痔を手で肛門内に押し込む)しなければならないケースでは、手術適応と考えて下さい。
- 痔の手術を受けると、今後痔が出てくる事は二度とありませんか?
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YESと言いたいですが、答えはNOです。でも、失望することはありません。根治手術を受ける事により、痔は完治致しますし、食事や生活習慣の改善により、痔の再発を防ぐことができます。
ただし、若年で発症された方、今後出産を予定している方、長時間坐位を強いられる仕事をされている方、便秘・下痢をくり返している方は十分に注意が必要です。
- 痔は薬で治らないのでしょうか?
掻痒感、痛み、腫れ、出血等の症状を薬(内服薬及び、坐薬、軟膏を使用)で止める事はできますが、軽症の場合を除いて、痔そのものが消失する事はほとんどありません。したがって、長年脱肛に悩まされている人に薬を使い続けても、脱肛が消失することはあまり期待できません。
- 日帰り短期滞在で痔の手術ができますか?入院しないで大丈夫ですか?
- 当院では、痔の根治手術(痔を根本的に完治させる手術)を、原則として短期入院で行っております。
短期滞在の手術が可能な理由は、特殊な麻酔法と疼痛の少ない最新の手術方法、レーザー、超音波メス等、最新の手術器具を使用しているからです。
ただし、日帰り手術だからといって、翌日から仕事ができる訳ではありません。術後3日間の安静と約1週間の休業が必要です。日帰り手術を希望される方は、術式を考慮し、日帰り手術を行なっております。
- 1日しか休めないのですが、痔を治す事はできないでしょうか?
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ラバー結紮術や痔硬化療法など、麻酔なしで行え、術後の疼痛が少ない方法があります。
一度ご相談ください。
- 痔の手術を受けた後、肛門が狭くなると聞いたことがありますが大丈夫でしょうか?
たしかに痔の術後合併症の一つに肛門狭窄があります。頻度が高い訳ではありませんが、術後(特に2~3週間目頃)のチェックを怠らず、狭窄をきたしそうな場合はしかるべき処置を行う事により、問題となる事はほとんどありません。
- 痔の手術の影響で、肛門の括約筋が弱って肛門のしまりが悪くならないでしょうか?
イボ痔(痔核)の手術では通常、括約筋にはメスが加わりませんので、肛門の括約筋が弱って、肛門のしまりが悪くなる事はあまり考えられません。痔瘻で瘻孔が括約筋を深く貫いている場合や複雑痔瘻の根治手術を行った場合に括約筋が切断され、肛門の変形や肛門のしまりが悪くなる場合があります。この様なケースでも、当院ではこれらの合併症を防ぐ為、極力括約筋を温存する術式を採用しております。当院では、痔の手術の前後に直腸肛門機能検査を行い、術後に肛門括約筋の機能の低下がないかをチェック致しております。
- 痔瘻と言われ、そのまま放置していますが大丈夫でしょうか?
- 痔瘻は自然治癒する可能性が低い上に、長期間無治療で放置する事により、複雑痔瘻化したり、まれに発癌の可能性もあります。できれば早い時期に根治手術を受けられる事が好ましいと思われます。
- 切れ痔で排便時の痛みと出血に悩まされています。何かいい方法はないでしょうか?
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肛門に麻酔薬、ステロイド等の消炎鎮痛薬やニトログリセリンを含有した軟膏を塗布し、下剤を用いて便を柔らかくする事でかなり改善します。それでも効果が十分でない場合は、ボトックスやキニーネを局所注射する事で、ほとんどの場合は治ります。レーザーで裂肛と周囲の瘢痕組織を焼却する場合もあります。
- 肛門から皮膚が垂れている様で気になるのですが?
イボ痔によって起こってきている場合と、皮垂(スキンタッグ)の場合があります。
前者の場合は、イボ痔の治療を行います。後者は、単なる皮膚のたるみであまり病的な意味はありませんが、簡単に切除できます。また肛門形成術(肛門の形を整える手術)も行っております。
- 肛門が痛くて我慢できないのですが?
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肛門周囲膿瘍、肛門異物(魚の骨等が刺さる)、外痔核等が考えられます。すぐに肛門科を受診して下さい。
- 痔の手術は保険診療できるのでしょうか?
当院では基本的に痔の手術は保険治療を行っております。ただし、早期の社会復帰や術後の疼痛の更なる軽減を望まれる方は、保険外での治療も行っております。来院時にお気軽にご相談下さい。