食生活を含めた生活習慣改善と運動不足を解消することが根本的な解決法となります。
しかし、慢性化した便秘や下剤の常用により、腸の働きが低下しているため、正常な働きを取り戻すまでに約半年(個人差はあります)くらいかかります。
当肛門科の便秘治療プログラムは、体質を改善し、腸が正常な働きを取り戻すまでの間、腸の働きをサポートします。
常用下剤の減量、生活習慣の問題点の改善等、肛門科医師の指導に従っていただき、治療を続けていただくことで、便秘体質を改善し、下剤を使用しないで快食快便が得られる様になります。
治療に要する期間は、数ヶ月~半年で、当肛門科への通院回数は約10回程度を要します。最初の2ヶ月は著明な改善が得られませんが、ここで続けていただくことが重要です。
その他、分からないことがありましたら医師に御相談下さい。
便秘は単にお腹の不快な症状を引き起こすだけでなく、宿便によって腸内に貯蓄した毒素(有害物質)や腸内細そうの異常によって大腸癌の原因となったり、肌の荒れやツヤの衰え、腰痛、冷え性といった全身的な体調不良や病気をもたらします。
次に、便秘が引き起こす様々な症状について記載します。
・吹き出物、しみ、にきびが出来る | ・冷え性である |
・頭痛、肩こり又は腰痛がある | ・気力がない |
・よくのぼせる | ・イライラする、よく眠れない |
・食欲がすすまない | ・口臭がある |
・肌荒れ、顔色が悪い | ・オナラが多く、臭い |
最近最も見られるタイプの便秘症。腹満感、腹鳴、腹痛、残便感などの多彩な症状を伴うことが多い。
内視鏡所見では腸管のれん縮(内腔が痙攣し、収縮する事により、便の通過が困難になる)腸壁の緊張強く、ファイバー挿入時に痛みに対し過敏であることが多い。
思春期から就職、結婚等を契期に発症することが多いが、ストレスの多い現代社会では中高齢者にもこのタイプの便秘が見られる。通常(市販)の緩下剤を常用することで次に述べる、難治性の混合型便秘症となっている患者さんも多くなってきている。
もともと痙攣性便秘症であったが、下剤の常用により腸の働き(蠕動運動)の低下も合併したタイプの便秘症。
内視鏡像では痙攣性便秘の特徴である腸管のれん縮と弛緩性便秘の特徴である腸粘膜の色素沈着を観察できる。
病気には、必ず原因があります。
生まれつきの体質が原因となる場合もありますが、ほとんどの場合は生活習慣に問題があり発症します。
また、弱い体質を持っていても、生活(生き方)の見直しにより改善できることが多いのです。
便秘についても同様です。生活習慣が原因で健康状態が低下してくると引き起こされます。
食生活では、水分、野菜、オリーブオイル、海藻類、発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌汁等)の摂取。適度な運動や便秘体操(腹筋を鍛え、腸を刺激する)、十分な睡眠(最低6時間以上)と、早寝早起き(夜10時就寝が理想、遅くても11時)、そして、ストレス、過労のない生活をすることで、自律神経(腸の働きに深く関与)を整えることが大切です。
したがって、便秘治療は根気よく生活習慣の悪い部分を1つ1つ改善していくことが必要です。
また、生活習慣を改善しても、その効果が出るのに多くの場合最低でも半年~1年は必要で、治療に時間を要します。
しかし、便秘を改善することは、健康状態を向上させることでもあり、体調が良くなるなど、そのメリットは大きいと思われます。