ペインクリニックとは

「痛み」とは体からの異常を知らせるサインです。その 「痛み」を調べれば、どこがどう悪いのかを確定できます。痛みを和らげる事は当然ですが、その先にある痛みの原因を知り、その解決に向けての治療がペインクリニックの存在意義でもあります。

痛みというものは大きく２種類あると考えられます。

一つ目は、怪我や病気が原因でその部位が痛むもの。 痛みは、腹痛であれば内科、捻挫であれば外科という風に、痛みの原因に対する治療法でいずれおさまります。

二つ目は、原因不明とされ治療方法が確立されていないもの。上記の治療法では痛みを取り除く事はできません。神経痛やヘルニアなど痛み自体がさらなる痛みを誘発するいわゆる“痛みの悪循環”を引き起こす病気に対しては、ペインクリニックが最も有効です。痛みの原因になる箇所を判断し、適切な検査治療をお勧めさせて頂きます。

神経ブロック療法

痛みの伝達を遮断

神経ブロック療法はその名の通り、神経が痛みを伝達するのをブロックする療法で、ペインクリニックではもっとも使用頻度の高い治療法です。

一般的な麻酔や痛み止め薬とは違い効果が一時的ではなく、繰り返し治療を施す事により痛みを除去します。

痛みを遮断し自然治癒力を活性化

神経ブロック療法は手術の際、全身麻酔とともに行われてきた神経ブロックを用いた麻酔を外来患者用に応用したものです。
具体的な治療法は局所麻酔薬や神経破壊薬を痛みを引き起こしている神経やその周囲に注射し、痛みの伝達をブロックします。神経に直接注射というと激しい痛みを想像されるかもしれませんが、特殊な細い注射針を使用する為、それほど痛くはありません。局部的な治療となりますので、服薬治療の様な全身に渡る副作用はありません。
痛みを遮断というと場当たり的な治療と思われるかもしれませんが、痛みが治まり神経の緊張がとれると、血行が良くなり自然治癒力が活性化されます。
すなわち痛みがさらなる痛みを誘発するという“痛みの悪循環”を断つ事により今までの痛みを消失させる事が可能な訳です。
対象としては椎間板ヘルニア、帯状疱疹、坐骨神経痛、肩こり、腱鞘炎など、多岐にわたるペインクリニックのメインとなる治療法です。

クライオセラピー

温める治療から冷やす治療へ

これまで治療では主に温める事に主眼が置かれてきました。しかし肩こりや腰痛などの疾病では、温める事によって逆に痛みが増す事があります。
クライオセラピー（冷却療法）では冷やす事で神経組織の活動を鈍らせ痛みを和らげます。

冷やす事が鎮痛・血行促進につながる

患部を冷却する事により血管が収縮します。すると冷却された部分やその周囲の神経組織の働きが鈍くなり、痛みが和らぎます。また感覚が無くなるほど冷却されると、体は血行をよくし冷却された部分を温めようとします。血管は一気に拡張され血流が患部に蓄積されていた老廃物などを流してくれます。
冷やす方法としては、凍傷にならない程度の低温で短時間冷やします。当院では専用の機器にて-30℃の冷風を吹き付ける方法をとっています。
適応症としては、肩こり、頭痛、腰痛、関節リウマチ、打撲、捻挫、肋間神経痛などがあります。

レーザー照射治療

痛みはもちろん痒みにも

レーザー照射治療は低出力レーザーや近赤外線を使用し、痛みや痒みを和らげます。副作用は少なく、神経ブロック療法における注射の痛みなどを伴わない為、患者様への負担も少なく近年注目されています。

レーザーで血行を促進し痛みを和らげる

低出力レーザーや近赤外線を患部に照射する事により、神経の炎症を抑え、体の奥深くの細胞に作用し、血流を活発にし、皮膚などの組織を活性化する事ができます。クライオセラピーなどと同様に血行促進が治療の根本となります。
低出力レーザー照射は熱さも痛みを伴いません。近赤外線は照射すると暖かく感じます。注射のため神経ブロック療法を敬遠されてる患者様は一度レーザー照射治療をお試し下さい。レーザー照射治療の適応症としては椎間板ヘルニア、五十肩、三叉神経痛、関節痛、顎関節症などがあります。