肛門を閉じようとしても、7~8mm程度の隙間が出来るからです。それをカバーしているのが、クッションの役割を果たしている粘膜下組織です。粘膜下組織は、柔らかく、かつ弾力があって肛門をしっかり閉じる役割を果たしています。
しかし、この肛門クッション部分に負担がかかると(慢性の便秘や下痢、長時間の努責、アルコール、刺激物の嗜好、長時間の座位等が原因)出血したり、クッションを支えている組織が緩んで脱肛状態になります。また痔静脈そうのうっ血により、静脈瘤が形成され、イボ痔が発生憎悪してくると考えられております。
しかしイボ痔があるからすぐに手術対象とはなりません。一説に全く無症状な方を全員詳しく調べてみると、約半数にイボ痔が見つかると言われています。
すなわち元来人間に備わっている肛門のクッション部分が生活習慣を含め様々な原因でたるんで突出してきたと考えていただければ良いと思います。したがって痔がある事を病気と考え、あれこれ悩むのはあまり意味がなく、痔に伴う症状(疼痛、出血、脱肛、肛門不快感、掻痒感等)に対してどの様に治療するかと考えていただければ良いと思います。
痔も小さく症状も半年に1回くらいであれば、症状が出れば坐薬軟膏、飲み薬等で早期治療を行い症状が消失すれば薬を中止し、様子を見ていれば良いと思います。治療が遅れ、痔の症状が強くなりますとクッション部分の損傷が強くなりイボ痔が増大します。
やがて痔が増大してくると、脱肛(排便時にイボ痔が肛門外へ脱出する)をきたす様になってきます。
イボ痔が増大すると徐々に症状(出血、疼痛、肛門不快感等)が強くなり、また頻回もしくは持続的に何らかの症状で悩まされる様になります。この段階にきますと、一度手術について考慮してみても良いと思います。
また脱肛が自然に戻らず、手を使って押し戻さなければならない様な状態になれば手術を考える目安であると思って下さい。
痔の手術を行いますと、治療するまで2ヶ月近くを要し、約3日~7日の自宅療養と、2~3週間程度排便時の傷の痛みを覚悟しなければなりません。しかし治ってしまえば今までの不快な症状から開放され、今までの様に肛門の症状が出現する度に薬を使用しなければならないという事は無くなります。
いわゆる痔の薬は痔の症状を緩和させるものであって、痔の根本的に消失させてしまうものではありません。
したがって今までの痔の症状が将来も続く事を考えた時、あまり気にならない様であれば手術をせず、症状を緩和すれば良いと考えます。
医学の進歩に伴い手術方法も多様化し、痔手術後の痛みもかなり軽減されております。特に早期治療手術をうけられますと、術後の疼痛も比較的軽く、治療も早く患者さんの手術後の肉体的・精神的苦痛も軽くなります。
当院では年間400例の痔手術を行っており、半導体レーザー・超音波メス・PPH・ラバー結紮術・硬化療法等、最近の技術と機器を導入し痛みの少ない、社会復帰の早い治療を心がけております。
痔の手術をお考えの方は、安心してご相談下さい。
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